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4つ目の部屋は、さらに狭い通路だった。
いや、これはもしかすると……
「迷路、のようですね」
近くの壁に地図が描かれており、その下にはさらにこう書かれていた。
『3つのレバーを同時に下ろせ』
地図を見ると、確かに3か所にレバーが描かれている。
「ここまで来たら、簡単に思えるわね」
「そうですね。じゃあ、私はこのレバーに向かいます」
「僕はここ」
そうか、私がここに残れば、能力を使ってルートを指示できる。
この部屋は私の指示に全てがかかってるのか……
「大丈夫?信じてるからね」
「みんなでやってきたんだ、失敗しても文句は言わないよ」
「大丈夫です。私、やります。任せてください」
「頼もしいね」
「レバーにたどり着くまでは、一人一人の端末にそれぞれ指示を出しますね。ちょっと適当な文字を出すので確認してください」
「へえ、別々の文章も出せるんだね」
「全体と個別で切り替えられるみたいです」
私の端末には『全体』ボタンが1つと『個別』と書かれたボタンが4つ表示されている。
「ゆっくりでいいからね」
「はい。全員レバーにたどり着いたところで全体に切り替えますので」
「よし、じゃあ行きますか」
みんなが出発し、私は1人になった。
みなさん、お疲れさまでした。
私が間違っていなければ、全員レバーの前に立っているはずです。
カウントダウンするので、0になったらレバーを引いてください。
5
4
3
2
1
0
迷路の壁が床の下へ沈んでいき、視界が開けた。
壁に『Clear』の文字が表示されている。
「よかった~……!!」
私は途端に足の力が抜けて座り込んでしまった。
と同時に、みんなが私に駆け寄ってきて「よくやった」と背中をたたいたり頭を撫でたりした。
「残す部屋はあと1つ!」
「もう、なにが来ても大丈夫な気がするわ」
「絶対クリアしよう!」
私たちは、えいえいおー、と手を掲げた。
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