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「もうしゃべっても……いいですよね?」
恐る恐る、といった表情で長身の男性は言った。
「大丈夫みたいですね」
特に何も起こらなかったので、私も口を開いた。
私たちは、突然集められ、この『Restrict Rooms』というゲームに参加させられた。
部屋には4人。私のほかには男性が2人と、女性が1人だ。
「とりあえず、役職の確認をしておきましょうか?」
若い男の子が手を挙げて提案した。
「言い出しっぺなのでまず僕が見せますね」
操縦者<Controller>
念じるだけで物を動かすことができます。ただし、軽いものかつ材質のわかっている物しか動かせません。
続いて、私も能力を見せた。
記述者<Typewriter>
見聞きしたこと、思ったことを自動で端末に記録します。他のプレイヤーの端末と共有もできます。
「とりあえず、今までの情報とか会話も共有しておきますね。何かに使うかもしれないので……」
「かなり重要な能力ですね。私のはどうやって活用するのやら……」
長身の男性の役職はこうだった。
小身者<Littlewalker>
体を小さくできます。
しょうしんもの、と読むのだろうか。
「あとは……」
自然とみんなの視線が残る女性に向いた。
「教えたくない」
「えっ?」
「能力が必要なときはちゃんとやるから。今は言いたくない」
強い語気に、それ以上は追及できなくなってしまった。
「じゃ、じゃあ心の準備が良ければ始めますか!」
「そうですね、頑張りましょう!」
私は不安を上書きするように、気合を入れた。
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