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真っ白な部屋。中央に何か台座のようなものがあるようだ。
「近づいてみましょう」
みんなで部屋の中央に移動したところで、前方の壁に文字が表示された。
『台座の上に二字熟語を作れ』
台座の上を見ると、四角形のパネルが何枚か置いてあった。
「パネルに絵が描かれていますね。合体させて熟語にしろ、ということでしょうか」
確認したところ、犬、糸、コップに入った水が描かれたパネルと、何も描かれていないパネルがそれぞれ1枚ずつあった。
「二字熟語……作れますか?」
「わかんないですけど、作れなさそう……」
最初からこんなに難しいのか、と私は頭を抱えてしまった。
「この何も描かれていない白いパネルが鍵ですかね?」
「ここに使えそうなイラストを描ければいいんですけど……」
「禁止されてますね……」
しばらくの沈黙。
「何も描かれていないんじゃなくて、『白』を表してるのかもしれません」
「なるほど?」
「あ、糸、白、水で『線』が作れますよ!」
「すごい!」
私は早速台座の上に3枚のパネルを配置した。
「でも、『犬』しか残りませんね」
「ダメか……」
そこで、一歩引いて様子を眺めていた女性が呟いた。
「『伏線』じゃない?」
「伏線……確かにできそうですけど、人偏が足りません……」
「あなたがなればいいじゃない」
そう言って長身の男性を指さした。
「えっ!?……あっ、まさか……!!」
「小さくなって台座の上に……!?」
「やってみます」
男性が体に力を込めたかと思うと、徐々に小さくなり、人形ほどになった。
「あの……できれば台座の上まで運んでいただけますか……」
男性が犬のパネルの横に寝そべると、再び部屋の壁に文字が表示された。
『Clear』
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