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また真っ白い部屋を想像していたので、黒くて狭い部屋に移動して驚いた。
「次は、何なんでしょう……?」
「逃げることは禁止、何から……?」
すると、壁に文字が表示された。
『Fight!』
と同時に、前方の壁が徐々にこちら向かってに動き始めた!
「どどど、どうしましょう!?」
私はうろたえて、お姉さんの服を引っ張りながら叫んだ。
「何かスイッチとかありませんか!?」
男性は周囲を探し始める。
「ダメもとでやってみましたが、念力でも止められそうにないです!」
「大丈夫……落ち着いて」
お姉さんがそういうと、不思議とみんな冷静になった。
「みんな私の後ろに隠れて。できるだけ固まってもらったほうが助かるわ」
「ど、どうするんですか!?」
私はそう言いながら真っ先に後ろに隠れた。
「本当の能力を明かす時が来たみたい。恥ずかしくて隠してたけど、笑わないでね」
お姉さんはそう言って自分の端末を私に預けた。
端末にはこう表示されていた。
大食者<Foodfighter>
無限に食べることができます。匂いで食べものを察知できます。
「ちなみにこの壁は、チョコレートでできてるわ」
10分後、壁の向こう側まで到達し、そこに『Clear』と表示されていた。
「ふぅ……能力があるとはいえ長かったわね」
お姉さんはハンカチを取り出し口元を拭いた。
「かっこいい……」
私は無意識に呟いていた。
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