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「だって、真夏お姉ちゃんが悪いんだよ」
そう、悪いのはわたしではない。真夏お姉ちゃんが悪いのだから。
「どうして、悪いのは……真冬ちゃんだよ」
お姉ちゃんはそう言ったかと思うとパタンと倒れた。
「お、お姉ちゃん、真夏お姉ちゃんーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
わたしは、叫んだ。
「真夏お姉ちゃん、死なないで、お願いだから死なないで!」
わたしの手にはナイフが握られていた。そのナイフから血がたらりたらりと糸をひくように流れている。ぽたぽたぽたぽたたらりたらり血が流れていた。
むせるような嫌な血の臭いがする。
わたしが、この手で大好きな真夏お姉ちゃんをナイフでグサリと突き刺した。
思い出した。思い出したくない全てをわたしは思い出してしまった。
だって、真夏お姉ちゃんが悪いのよ。
血まみれの赤衣ちゃんが真夏お姉ちゃんの隣に転がっていた。
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