缶コーヒー3つ

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抜け道を自転車で走り抜ける。 パンクした場所も通り過ぎ 角を曲がって少し行った所で整備工場が見えた。 今日はこの前と違って 明かりが煌々としてる。 ちょっと手前で自転車から降りて 押しながら中を覗き込む。 誰かいるけど……山下さんじゃない。 ──迷惑かな 急に来たりして 仕事中なら余計に……だよね。 やっぱり帰ろう そう思った時、 中にいた人に気付かれ 山下さんとは違う色のツナギを着た人が こちらに歩いて来た。 「あの、うちにご用ですか? 」 「……いえ……あの……山下さんに………」 何でもないです、と言って 帰ればいいものを 思わず言ってしまうと 「遼太郎なら奥にいるよ。 ちょっと待ってて」 私が誰かなんてのも聞かずに その人は工場の奥へと歩いて行った。
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