缶コーヒー3つ

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「おー、サンキュー! 今日はこれで夜メシいいわ。 ………ん……? 」 ん……? 袋から缶コーヒーを3つ 片手に掴んで出して 「どしたん、これ」 「どれが好みか分からなかったから とりあえず全部」 私の答えに、吹き出して笑う。 「……すみません」 何故か謝ってる私。 「いや……ゴメンゴメン。 どれでもいけるんやけど うーん 今日は、ブラックな気分やな」 一生懸命 なんだかんだ私に気遣ってくれてるのが伝わる。 良い人だなぁ……この人。 工場の中から こっちを見てるさっきの人が目に入って 「あの、仕事中でしたよね……。 お邪魔しちゃってごめんなさい。 私、帰りま……」 帰ります、と言おうとした言葉を遮られた。 「急いでるん? オレ、ちょっと休憩入るから どっちか飲んでかへん? 」 微糖とカフェオレを手に持って 山下さんは微笑んだ
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