抜け道にて

2/3
前へ
/223ページ
次へ
はぁ…… もうため息しか出ない。 なんでこうもツイてないかな。 普通にいつもの道で帰ってれば、なんて 後悔先に立たず。 暫く自分のツイて無さに しゃがみこんだままでいたけれど ……自転車押して帰らなきゃ そう思った時。 「どうかしました? 」 その声に振り向くと 黒のつなぎの作業服に キャップのツバを後ろに被り 手にはコンビニのレジ袋を持った 男の人がいた。 その人はゆっくりと隣に来ると 一緒になってしゃがみ込み 自転車のタイヤを見て触った。 「あー…… ガッツリパンクしてるやんか」 ……関西弁? 「家、近いん? 」 「あ……はい。 もうちょっと先ですけど……」 するとその人は んー、と考え込む顔をした。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

175人が本棚に入れています
本棚に追加