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「おーい、どした? 」 呼ばれてはっと我に返る。 「……え、えーっと」 何気に見た腕時計 もうすぐ23時になろうとしてた。 「やばっ、もうこんな時間。 帰らなきゃ」 「送ろうか? 」 「あ、いえ……。 自転車直して貰ったんで 乗って帰れるから大丈夫です」 自転車のスタンドを外し 工場から出ると 山下さんも外まで一緒に出て来てくれた。 「じゃあ…… あの……本当に助かりました。 ありがとうございます」 頭を下げて言うと 「そんなんええよ。 帰り道、気を付けてな」 もう一度頭を下げて 顔を上げたら 笑って手を上げた山下さん。 自転車を少し押してから乗り そこから去った。
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