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その整備工場からは
自転車で5分。
あっという間に家に着いた。
そして気付いたのは
今まで音を立ててたブレーキが静かになってた事。
知らない間に
そんなとこまでメンテしてくれてたんだ。
「今度ちゃんとお礼に行かなきゃ」
自転車に鍵をかけ、部屋へと向かう。
.
誰も居ないひとり暮らしの暗い部屋。
「ただいまー」
誰も居ないけれど
なんとなく
静けさの中にある寂しさが紛れるような気がして
とりあえず、毎日言ってみてる。
電気を点ければ
忙しさにかまけて
いい感じに散らかった部屋に小さくため息。
……さっさとお風呂に入って寝よう。
お風呂の自動ボタンを押した後
ジャケットも脱がずにソファに座り
バッグからスマホを取り出したらLINEの通知が。
『今週の金曜、二人でご飯行かない? 』
……これは幻……?
送り主は
王子様『矢崎 和浩』
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