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「そうかもな」
そう言ってコンラッドは美和を引き寄せ、首筋にキスをしながら、するすると美和の服を脱がした。
美和は完全にその気になり、コンラッドにキスを求めて首に絡みついたが、コンラッドはそれを跳ね除けた。
「なわけないだろ!お前の着ている服は貰って行く。これを卯月に着てもらって、ルイとかいう奴に、俺たちを消すのを止めてもらう。名案だろ?」
美和は目を吊り上げて怒った。
「ふざけるんじゃないわよ!誰がそんな真似をさせるもんですか?!」
美和が飛び付こうとするも、コンラッドは空に舞い上がり、クレバスの隙間をすり抜けていった。
「ちょっと!あたしを置いていくなんて、許さないわよ!!」
そう叫ぶ美和の声を後に、コンラッドはルイが居ないか辺りを見回しながら小島に向かった。
※※※※※※※※※※
海に飛び込んだ蘭武は、沈んでいく紅砂の後を必死で追った。
血だけではなく、時折、臓物の破片が海に漂っている。それを見て、蘭武は泣きながら破片を掴み、紅砂の元を急いだ。だが、蘭武が紅砂を捕まえるより早く、四鵬が紅砂の身体を捕えた。
海に叩き落とされた四鵬は少しの間、気を失っていただけで、それほどのダメージはなかったようだ。蘭武はほっと一息ついた。けれども、早く海から上がらなくてはいけない。
これだけ海に血が漂えば、必ずこの辺に住む鮫達がやって来る。紅砂の事は四鵬に任せて、蘭武は慌てて海面へと急浮上する。だが、海面にあと少しというところで、前方から奴らが群れを成してやって来た。
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