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 四鵬も蘭武に、早く上へ上がれと指示を出す。  蘭武が海面に上がって顔を出すと、四鵬が下から蘭武を抱え上げた。  右手に紅砂と左手に蘭武を抱えての飛翔は、四鵬にとってかなり難しかったが、何とかバランスを保持し、岩場の洞窟へと向かった。  海面から出る際、ルイが居なくて本当に良かった。ボロボロの紅砂と蘭武を抱えてでは、逃げることも出来ないだろう。  ルイはコンラッドが別の場所に誘い込んでくれたようだ。  四鵬は、一番近場の岩場の洞窟へと入り、蘭武と紅砂を地上に下ろした。 「兄さん!!しっかりして!!」  降りるなり、蘭武が紅砂に駆け寄る。  紅砂はというと、苦痛の表情で、なんとか上半身を起き上がらせた。 「大丈夫だ。地上に上がった以上、すぐに体は再生するから心配ない」  紅砂は蘭武を安心させようと、微笑んでみせた。 「なんなら俺の血でも飲むか?その方が治りが早いだろ?」  四鵬が自分の手首を差し出す。 「有難う。少しだけ頂いていいか?」 「おう!飲めよ!!」  紅砂は四鵬の腕を取って、血を吸った。そして、少し顔色が良くなった。
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