144人が本棚に入れています
本棚に追加
卯月はその耳をルイに向かって吐き捨てた。
「よくも俺の耳を……」
このまま八つ裂きにしてやろうかと、ルイは考えたが、卯月と紅砂に気を取られていて背後のザンにまで意識が回らなかった。気付いた時には、目と鼻の先に現れ、頭を鷲掴みにされてしまう。
そのままザンは手に力を入れ、ルイの頭蓋を破壊しにかかる。
「くそっ!止めろ!!女がどうなっても良いのか?!」
「お好きなように」
ルイは目を剥いた。ザンは全く卯月に関心を寄せなかったのだ。
ザンの指が頭蓋にめり込む。ルイは堪らず卯月を離した。後は紅砂が卯月を受け止めた。
自由になった紅砂と卯月は、ルイに背を向け、逆走する。
またルイとザンの一騎討ちとなった。
最初のコメントを投稿しよう!