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「お前たち……どうしてここに?」  ザンが紅砂たちに問いかける。ザンからしたら、何故わざわざ危険を犯してやって来たのかが分からない。 「逃げてばかりいても、何も解決しないと思いまして」  紅砂が静かに応じる。すると、それを聞いていた美和が吹き出した。 「あんた達に何が出来るの? これまでだって、低位が高位に何か影響を及ぼした事ってある?」 「時は変わらないのもを運んだりしません。時が流れれば、必ず何かが変わるのですよ」  美和が眉間に皺を作った。不愉快な答えだと思ったようだ。 「少なくとも、お前らの運命だけは変わらないと俺が証明してやるよ」  そう言って、ルイが動いた。目標は、紅砂の首を切り落とすつもりだったが、寸前で紅砂は消え、背後にいたコンラッドの拳に叩かれ、ルイは後方へ吹っ飛んだ。 「うそ!なに?!どういうこと?」  美和が驚きの声を上げた。いくら不意を突かれたとはいえ、コンラッドの力が増しているように見える。 「私が自ら血を与えたの」  卯月の声が凛と響いた。 「私の心がどのような気持ちであるかによって、血を与えた相手に変化があると聞いたの」  それでルイの力を凌ぐほど、コンラッドの力が増幅したとしたら、それはどんな気持ちだったのか……。 「あなたはみんなを皆殺しにすると言った。だから、私はそれを阻止する!!誰一人、殺させやしない!!」  卯月の宣言に美和は戦慄を覚えた。
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