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 何が卯月をこのまで変えたのか……。  卯月はもう、最初にスティーブが出会った頃の不安そうでか弱い女ではない。 「卯月ちゃん、あんた変わったな? 一体、君をそこまで変えたのはなんだったんだい?」 「私はただ……みんなの事が好き。だから、失いたくないの。私に守る力があるなら守りたいの。ただ、それだけ」 「そっか」 「はん!下らないこと言ってんじゃないわよ!人はねぇ、命ってのはねぇ!!失うためにあるのよ!どんなに守ったって、どうせ尽きる時がくるのよ!あたし達だって、今は不死身でも、この意識や記憶も失うのよ!だから、何かを好きになったって、無駄なことよ!あたしはそれを全部、引き裂いてやるから!!」  美和が卯月に向かって捲し立てた。まるで、自分の意に添わないものは、全て破壊しつくす勢いだ。 「私達って不思議ですね。同じ細胞から分かれて、同じ顔をして、きっとどこもかしこも同じなはずなのに、生き方だけは違う」 「そうね。きっとあんたとは合わないから分かれたんだと思う。あんたみたいな女大嫌い!!だから、消えて!!」  そう言って、美和が一歩踏み出すと、卯月を引き寄せ、その肩にかぶりついた。なんと、美和は卯月の肩の肉を噛みちぎり、それを咀嚼した。  卯月は悲鳴を上げ、美和を突き飛ばす。 「急に何を?!」  卯月の問いに、美和は答える。 「あんたを食べて、また一つになればいい。そして、支配するのはあたしよ!!」  また美和が卯月に飛びかかる。だが、寸前で、紅砂が卯月を庇った。 「そんな事をしたって無駄です!!一度分かれた女性の細胞は、その後、いくら同化させようとしても上手くいかないんです!!」 「なら、確実に葬る必要があるわね!ルイ!!その女を拐って、飛んで!!」  美和の声を聞き、ルイは素早く美和と卯月の腰を抱いて上空へ飛んだ。
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