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 「まさかとは思うが……、憤怒岳の火口に卯月を投げ入れる気か?」  スティーブの言葉に紅砂も頷いた。 「恐らく、あそこに向かうということは、そうでしょう」 「やばいな。お前は遅いから、俺らは先に行ってるぞ!!」  そう言ってスティーブとサイモンは紅砂を置いて先を急いだ。 「すいません、よろしくお願いします!!」  スピードを上げたスティーブとサイモンは、ルイを挟む形で左右にピタリと付いた。 「おい!卯月ちゃんをどうする気だ!!」  スティーブの言葉に、うんざりとした顔で答えたのは美和だ。 「火口に棄てる決まってるでしょ。骨も肉も全て溶けててしまえば、流石に再生も無理でしょ」 「ひでぇ事を考えるもんだな!」 「そんな真似させるか!!」  サイモンが下からルイの足を取った。スピードがぐんと落ちて、ルイはバランスを崩した。しかし、両手に美和と卯月を抱えているせいで、邪魔なサイモンを振り払うことが出来ない。  ルイはどちらかを棄てるしかないと思い、美和を抱いていた手を放した。そして、空いた手で、足にしがみついていたサイモンの腕を捥いだ。  美和もろとも錐揉み状態でサイモンは真っ逆さまに落ちていった。
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