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「いい加減に彼女を離せ!」
コンラッドが言うも、ルイは一切応じる気はない。更にスピードを上げて火口を目指す。
「どうして?どうしてあなたと美和さんは、誰でも殺したがるの?」
卯月が訊く。
「自分がしたいようにした結果がそれだ」
「その為なら、誰かを失ってもいいというの?」
「自分さえ生き残ればいいだろう。いつの時代もさ」
卯月は悲しみに暮れた。どうしたって心を交わす事が出来ない相手がいるのだ。
「ふふ、さっきまでの威勢はどうした? みんなを守るとかほざいて、結局、何も出来ないようだな」
ルイの言う通りだった。このまま悲しみに押し潰されていても何も始まらない。
卯月は決意を固めた。
「コンラッド!お願い!!私の心臓を貫いて!!」
「何?!」
驚いたのはルイの方だった。卯月の声と共にスピードを上げたコンラッドは、気が付けばルイの正面にいた。そして、躊躇うことなく卯月の心臓をルイ諸とも貫いた。3人はそのまま勢いよく地上に落ち、全身が砕ける。
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