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次の日
千覇は校門を通り、プレハブへ向かう。進級という事でクラス分けが行われ、プレハブに張り出されるのでそれを確認にしに行くところだ。
同級生男「おはよー、千覇ちゃん。」
同級生女「おはよう、千覇ちゃん君。」
千覇「…ちゃんを付けて呼ぶな。おはよ。」
千覇は『ちゃん』で呼ばれるのが嫌いだ。理由は簡単、『かずは』という名前が女の子の名前であるためだ。これも、あの推理アニメのキャラの影響だろう・・・。名前自体、気に入ってないわけではない。親がつけてくれた大切なものだから。が、『ちゃん』を付けてからからかわれるようになってからは「ちゃんをつけて呼ぶな」というツッコミが決まり文句になっている。
「おはよう千覇くん。今日もちゃん付けで呼ばれてるね。」
コイツの名前は四条さえ。同じクラスで一年間席が隣だった女生徒だ。さえとは高校から知り合ったが、いまや悪友ともいえる仲になっている。性格が悪い訳じゃない。むしろ、さえのことを好ましく思う男子が多いくらい性格はいい。ただ、千覇はそうは思わなかった。何故なら、このさえこそが、千覇を『ちゃん』で呼ぶことを始めた張本人である。この女のせいでちゃん付けが日常化し、からかわれる日々を過ごしている。そう、こいつはからかうことが好きでいたずらっ子なのだ。
千覇「いい加減勘弁してほしいものだ。・・・そういえば、正門にあの頑固体育教師が立ってなかったな。」
この学校は竹刀を持った体育教師が校門に立っているということで有名になっている。校内では、竹刀を構えて校則チェックをしている姿が風物詩になっている。学期の始めは風紀が乱れるということでいつもいるはずなのに、今日はいない。
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