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さえ「珍しいこともあるね。誰かが引き出しにカエルのおもちゃでも仕掛けて怪我しちゃったのかな?」
千覇「いや、お前くらいだからな、あの教師にいたずらをするのは…。とりあえず、教室の確認をしに行こう。」
二人はプレハブ校舎の前に着くとある程度の生徒が集まっていた。
千覇「えーと、俺のクラスは………。」
千覇は自分の名前を探していく。空芽、空芽、とブツブツ言いながら各クラスのか行をみていく。しかし、すべてのクラスを見てあることに気が付いた。
千覇「ない。」
空芽の名前がどこにもない。見落としたかと思い、もう一度探すがやはりない。空芽という苗字は珍しいので見間違えるはずもないし、これは・・・どういう事だ?
さえ「千覇くん、私の名前がないんだけど?」
千覇「は?お前も名前がないのか?」
さえ「千覇くんも?」
一人ならまだしも二人ともなると流石に学校側に問題がある。下手したら保護者が文句を言いに来て大変なことになることも…。というか、一人でもいる時点で大問題だろう。
「なあ、きいたか?」
「なにが?」
「なんでも、廃校寸前の女子高があるらしいんだが、その高校が共学にしようと動き出したらしいぜ。」
「その共学の試験のために、うちから何人か編入させるらしいぞ。」
少し離れた場所から風に乗って千覇のもとに声が届く。少子化の影響か。これが身近で起きるのは自分たちのことでないと思っても怖いな。この近辺で女子高校っていうと、静真高校か浦の星女学院高校の二校だけ。静真でそういう話は耳にしたことがない。土地的問題とかを考えると…浦の星か?
さえ「こうなったら職員室にいこ!腹いせに本気のいたずら仕込む!」
千覇「行くのは同意するが、何か仕掛けるのはやめておけ。また原稿になるぞ?」
くっくっくと悪だくみをするさえの頭に、千覇は小悪魔の触角が見えたきがした。生徒たちが話していたことも気になるが、いまはこっちが優先だ。二人は職員室に向かった。
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