一夜限りの、温かさ。

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誰でもいい。 適当に相手を見つけて、一回ヤッて、すぐに帰ろう。 そうしたら、このモヤモヤした気持ちは晴れるはずだから。 そんなことを考えていると早速、背後から誰かに肩を叩かれる。 「君、一人? 可愛い顔してるね。どう?」 両耳にたくさんピアスを着けた、金髪の男だった。細身で長身。年齢は二十代後半だろうか。 かなりチャラそうな外見で話はあまり合いそうにないが、相手は誰でもいい。さっさとヤることヤッて、こんな所、早く出たい。 ……そう思っていたはずなのに、いざとなると怖気つき 「……いや、一人で飲んでるんで」 と、断ってしまった。
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