帰ってきた父

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帰ってきた父

 扉が開いた。  少女が一生懸命に開けようとしていた扉だ。  そこから男が入ってきた。  少女が父だと思って従う男だ。 「今日もいい娘にしていたようだね」  男は寝ている少女を眺めて、口の端を上げる。  少女の四肢はやせ細っている。まともに食べていないのだろう。 「素直で無垢なまま一生を終えればいい。大切な隠し子だからな」  男は少女の頭を軽くなでた。
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