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再会
花音は夕暮れのグラウンドを、3周走ってきて上がった息を整えていた。
中学に上がって、特に考える事もなく友達と一緒だからと陸上部に入部した。
練習がきつくても耐えてきた…
もうすぐの初夏には大会が控えている。
父親を喜ばせる為に選手になりたい。
だけど、今日は少しだけ辛かった。
お腹の具合が……
大人への一歩を迎えていた。
練習が終わり帰宅の準備を始める。
友人の紗良と、共に体操着のまま、鞄を背負って、首に巻いたタオルで汗を拭きながらいつもの道を歩く。
街灯が点き始めた道、夕暮れ空には既に満月が浮かぶ。
ざわざわと、不気味にカラスが頭上の電線に並んでいる。
いつも通りの日常……
このまま普通に家に帰れると、ばかり思っていた。
日常は急に非日常へと転ずる。
突然生暖かい風と共に、巨大な蟲たちが空を裂き薄暗い帰り道に現れた!!
何匹いるだろうか…薄暗い中だ、全体像はわからない
ただ異形のものであることは、すぐにわかった。
「なにこれ…気持ち悪い…」
花音と紗良は、完全に囲まれてしまい身動きが取れなくなった。
なにかの物語に、突然放り込まれたのか
なにが起きている!?
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