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僕は恐る恐る尋ねる。
「蛇が本当のことをいってるかはわからないんじゃないかな」
「それはそうね。蛇にだまされているのかもしれない。でも、他に方法はなかった。さすがに全てのキモオフに出て、参加者を全員殺し尽くすわけにはいかないでしょう?」
サニーさんは恐ろしい言葉を吐きながら、困ったように微笑む。
「でも、キーロさんは違う。人を殺すような人に見えない」
「あら? 私は人を殺すように見える?」
……見えない。
「そもそも、私は違ったとしても、申し訳ないけどやめるつもりはないの。私は必ず、私の手でキーロを殺すわ。妹の復讐に区切りをつけるために。なんていうか、無関係なら他の無関係の人の死とバランスが取れないわ。だから、諦めて。本当にキーロが無関係だったらあの世で謝るわ」
サニーさんは澄み切った目で言い切った後、ふと申し訳なさそうな表情で僕を見つめる。
「それにしてもあなたは本当にお気の毒。あの蛇は人が苦しむのが大好きよ。今回ももっと長く苦しませようといっていたわ。私もたくさん苦しんでほしかったけど、あんまりゆっくりしてると人が来てしまうでしょうし」
『よっち』さんが苦しんでないとでもいうのだろうか。多分、もうサニーさんは感覚が違うんだろう。
「蛇は最後に私を随分苦しめて殺すつもりだったんでしょうね。それをあなたが肩代わりしてくれた。私はもうほとんど蛇だから、蛇が寝ているうちにお礼に殺してあげようかとおもったけど、そうすると私が恨まれるでしょうから、ごめんなさいね」
そんな……。
「逃げるのは無理なのかな」
サニーさんは細い指で僕の左手首をとって、アザをなでる。
「こんなにくっきり呪われてたら、無理じゃないかしら」
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