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『4人と1匹』の作戦会議
(注:55頁末尾に、追記をしました。この話の前提を書き忘れていたので。
この注意書きは、1週間ほど後に削除します。)
僕らは昼休みのあと、授業をさぼって、寮の僕の部屋に4人で集まって作戦会議をした。
机と椅子とベッドぐらいしかないワンルームなので、ギュウギュウだ。散らかっていて少し恥ずかしい。とりあえずコーヒーを入れてクッキーを出す。
「いいかな、敵は二人を無力な餌だと思ってる。反撃されるとは全く思っていない。だから、そこを突くしか生き残る方法はないと思う。東矢、お前昨日も全く動けなかったんだろう?」
藤友君が窓際の床に立て膝で座って言う。
まあ、情けないことに、そのとおり。
「どうせ次も動けない。なら、使うのは反射の札だ。他の札は効果が出るのに時間がかかるし、これなら動かなくても自動で発動する」
「ちょっと待って、何を言ってるの?」
椅子に行儀よく座ったキーロさんは言う。当然だ。だから僕らは実験してみせた。札を僕の手のひらの上に置いて上から石を落とす。石は札に落下した直後に跳ね返って落ちた距離くらいに浮き上がり、不自然に端が欠けた。
「えっ、何これ、マジックかなにか?」
「何かはわからない。でも、なんか、多分、エネルギー?、を、反射する、札? 僕も意味はよくわからないんだけど」
わけのわからない説明をキーロさんにする。妖怪とか怪異なら信じられるんだけど、魔法の札と言われると急に信じられないのは何故だろう? 呪いのアイテムと同じと言えば同じなのに。
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