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キーロさんが即死しないと目的が達成されない状況?
「なんだそりゃ」
「昨日の東矢との話では、サニーはおそらく自分自身、つまり蛇がキーロさんを殺してこそ復讐になると考えているように思える。多分キーロさんは自殺じゃだめなんだ。だからサニーにキーロさんが自殺すると思わせる。それを止めるためには、自殺する前に殺す、つまりキーロさんを即死させないといけないと思わせる」
なんだか話の中身がぐるぐるといったりきたりしてる気がする。
「自殺すると思わせるってそんなことができるのか?」
「東矢は昨日、『よっち』が死亡するところを見ていた。サニーが『キーロさんが自殺する』と考えることに合理性はある」
「私、まだ生きてるんだけど」
「それは東矢から詳しく状況を聞いてないからだろう。なかなか苦しそうだぞ。ちなみに失敗した場合に東矢に待ち受ける運命は、おそらくその何十倍も酷い。だから協力してやってくれ」
藤友君がバッサリ切り捨てると、ナナオさんとキーロさんは息をのみ、真剣な目で僕を見る。昨日の『よっち』さんの姿、多分全身の骨が折れていた。うぅ、あまり考えたくない。でも、あれを「なかなか苦しそう」ですませる藤友君も怖い。
藤友君はコーヒーの波紋を見つめながら静かに言う。
「そうだな、毒を飲んでいることにするのはどうかな? 毒が回る前に殺さないといけないだろ? ただ、それならとっとと死んどけ、というか今なんで生きてるんだっていう不自然さがあるから、バーターで交渉をいれよう。交渉の内容は、不自然でないならなんでもいい。サニーに他の選択肢を選ばせないために」
「他の選択肢?」
キーロさんが首をかしげる。
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