さよなら『サニー』

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さよなら『サニー』

蛇は地面に横たわっていて、ピクリとも動けないようだった。私も体はピクリとも動かず、衝撃であおむけに倒れたままだ。 キーロさん、と呼びかける声があり、小さなうめき声が上がった。そのあと、蛇に何かがつかまった感触がした。 そうしたら、不思議なことに、蛇はずるずると洞窟の床の中に引きずり込まれ始めていく。 声がした方に四角い明かりが開き、少年の顔がぼんやりと照らされた。静かな洞窟内にコール音が鳴る。どうやら救急車を呼んだようだ。携帯がオフになると再び洞窟内は暗くなり、なんとなく少年の輪郭が分かるくらいの明るさに戻った。
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