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しばらく沈黙が続く。
なんだかだんだんどうでもよくなってきた。
少し意識が薄らいできた気がする。
すでに私の中から蛇はもうほとんど抜け出ていて、私自身も大部分が失われ始めたからかもしれない。
「封印を選ぶならそろそろ時間だけど」
どうしようかな。
「封印されたら蛇の近くにいることになるの?」
「違う部屋を用意するよ」
また、少しの沈黙。
「決められないからこのままでいいわ」
「わかった。残った体は洞窟の奥の方に隠しとく?」
「そのままでいい」
「そう。じゃあ、元気で」
元気で、っていう挨拶は、わるくない。
少年が立ち去る気配がした。
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