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「これなる返還により、主との縁は解消された。今ここよりは我が封印にて守られる」
ニヤは厳かに宣言する。
封印の底から、蛇がぼんやりとこちらを見ていた。
「ここは脇道だけど、封印は普通にできるんだね」
「封印の中に入れば同じだ。この穴の入り口は埋めるのでいいな」
「そうだね。あると便利そうな気はするけど、変なのが入っても困るし」
「承知した」
僕はニヤを残して明るい洞窟の外に出る。
結局今回は話し合いが成立する余地はなかった。
僕も蛇もサニーさんも、自分の目的を果たしたいと思っていて、最終的に僕が勝って目的を果たした。もう全部けりはついた。
ニヤにはああいったけど、僕は洞窟をそのままにしてサニーさんの一部が見つかって騒がれるのが、なんとなく嫌だったのかも。
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