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プロローグ
私は故郷での最後の夏を楽しむことにした。だって、あと三か月でオーストラ
リアに行かなければならないから。
これは二週間前に母から告げられた。
「美琴、連理、話があるの。」
「母さん、なに話って。」
と双子の弟の連理が言う。
「実はね、仕事の関係でオーストラリアに行かなければいけなくなったのよ...」
頭痛がしてそのまま、ふわんと私の意識がいなくなる。
気づいたらベッドの上にいたのをはっきりと覚えている。
これは後から聞いた話だが、母は相当焦っていたようだ。連理曰く、「母さんも倒れるかと思った。」だそう。
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