三年三組の見えない探偵

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長い書き込み。皆がそれを読み終えた頃に、短く質問が続く。 『なんで先生が?』 『証拠は?』 『結局財布を返すってこと?』 『動機は知らない。ただ、手帳がなくなって帰ってきた件も関係があるかもしれない。証明はできる。今から金庫を開けてみればいい。犯人は皆が帰るのを待ってから金庫を開けるつもりなんだから、まだ金庫の中に小さな巾着ごと財布があるはずだ』 花咲は嫌な予感がしたが、それ故に今すぐ確認したくなった。きっと財布はろくでもない事に巻き込まれてかけている。 しかしまさか犯人かもしれない丹波先生に確認させるわけにもいかない。 「こら!、皆していつまで学校に残ってるの。しかもケータイなんか見て!」 ちょうどその時に副担任の佐知村先生がやってきた。この先生は小さな体からは信じられないほど口うるさいが、年が近いからと生徒の話を聞いてくれるタイプの教師だ。花咲はさっそく頼み込む。 「先生! 大事なものが金庫の中に残っているかもしれないから金庫を開けてくれる?」 「え、ええ、開けられるけど」 いつでも鍵は開けられるよう、教師は鍵を持ち歩いているらしい。すぐさま佐知村は金庫を開けようとする。残った皆の一部が金庫を取り囲んだ。 金庫の中には、推理通りに小さく薄手の巾着があった。中にはラメのついた花咲の財布があったという。
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