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またコンビニへ、今度はその中のイートインスペースに向かい、火野はコーヒーを飲みながら考えをまとめた。
「なるほど、川村先輩が仲間に女拉致らせて、そこを助けて弱み握るなりして言いなりにして、飽きたら仲間におこぼれとして渡す、ね」
「僕がマイルドにした内容をゲス変換して言ったな」
「マイルドにしても何も問題は解決しないもの」
火野は面白そうに話を聞いた。そして率直にまとめる。もう猫かぶる必要がないのか、発言はさっきの玉置にも聞かせられない程過激になっている。
「警察に相談したら?」
「証拠がない」
「郷田君を突撃させたら?」
「郷田君に暴れるという選択肢を与えたくない」
「じゃあ華とタマちゃんで突撃」
「二人が逆恨みされるのは避けたい」
それらはもう桂木も考えたことのある解決法だ。しかし友達を守ることを第一に考えれば、それらの方法は取れない。
「二人には川村を避けるようにしてもらってる。すっきりはしないけど、それが一番の解決法だと思う」
「それで本当に解決するかなぁ。相手はすでに良からぬ計画を考え仲間を募り実行してる。それで肝心のかわいい女の子が手に入らないとなると、次はもっと強引な手を取ると思わない?」
「それは……」
「男子の集団が悪質なこと、桂木君も私のことでよく知っているでしょう?」
試すように火野が言って、桂木は寒気がした。野田の事件では火野が男子生徒数名を操った。それもただたぶらかしたのではなく、相手の考えを見ぬき欲しがる言葉を用意して。それだけ男子の集団とは気が大きくなって、都合のいい言葉をすんなりと受け入れる。
「うちの事務所に所属仕掛けた五人組ヨウチューバーだってさ、この間何人かが逮捕されたのよね。『お店のものどれだけ持っていけるかチャレンジ』とか言って」
「あぁ、迷惑系ヨウチューバーね……」
「『ちゃんとお金を払うつもりだった』なんて本人達は言っているけど、そんなの知らないお店からしてみればただの窃盗なのにね」
火野の所属したという芸能事務所。そこにはヨウチューバーもいるらしい。そしてその動画投稿サイト、ヨウチューブにて極稀にそう言った集団は現れる。やはり集団になると普段はしないような犯罪行為も、視聴回数のためにしてしまうのかもしれない。
しかし急に火野ははっと何かひらめいたように切り出す。
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