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そして、
北高との試合練習日がやってきた。
グランドが広いってことで、うちの高校でやることとなり、オレたちは昼前からウォーミングアップをしていた。
12時になると、マネージャーのカナと桜がたくさんのおにぎりを作って部室前へと運んでくれた。
それから、13時半を過ぎると北高の部員がゾロゾロと並んでグランドへとやってきた。
北高が荷物を置いてウォーミングアップを始めたその時、オレはカナの変化に気が付いてしまった…。
「か、かっこいい~…」
は、はいーーー?!
その言葉は小さいけど、はっきりオレには聞こえたぁ!!!
カ、カナがこぼした言葉を!
しかも、語尾にハートがつきそうな!!
カナの視線の先には、相手の北高の10番がいた。
腕には赤いラインをつけてる。
キャプテン?
10番?
なんだ、オレと一緒じゃんーか。
…ちょいと顔は負けるけど。。。
オレと同じくカナの変化に気付いた桜が、オレの隣にやってくる。
「めっちゃイケメンやん、向こうのキャプテン。
カナ、目がハートになってるし…。
隆、闘志むき出しになってんで。 顔怖いし。
これからサッカーするんだよ、ケンカじゃないからね?」
でも、この時のオレには、桜の忠告が聞こえてなかった―。
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