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April
見事に咲いた、校舎前の桜の下で、
「えっ?!
……うそっ!!」
私は親友の森野リカに告げられた―。
「ホント。」
その告白は、約半年前に受けた衝撃と同じくらいの衝撃を私の脳に与えた。
「え、どーして?
…仲良かったじゃない?」
「さぁね?
…私にも分からない。向こうから別れようって言われたから」
「……えっ」
私は思わず自分の口を左手で隠した。
本当にビックリして。
「男の人って結構前の恋愛を引きずるっていうのにね。佐々木くんは違うみたい」
サバサバと話すリカが、私にはカッコよく見えた。
そして、普通ならばここで『そんなことないよ』とか、『リカはまだ好きなの? まだ頑張ってみたら?』って声を掛けるのが親友なんだろうけど、
「そして、理由聞いてもね。
ごめんしか言わないの。ズルいよね?」
私は卑怯だ。
口元を隠したまま、リカの話しを聞いているだけ―。
それからリカは大きな溜め息をついてから、
「教室に戻ろっか」
と、私に言った。
その言葉を聞いた私は、大きく頭を上下に振って頷いた。
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