至上の恋

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私は同級生の男の子に恋をしている。 でもそんなこと誰にも言えない。 言う相手もいない。 私は生まれた時から不細工で、 今日に至るまでみんなからゲロのように嫌われているから。 壁の向こうから声がした。 彼と、彼の友達だ。 「なぁ、ゲロブタって、お前に惚れてんじゃねぇの?」 「うっげぇ最低だな。お前可哀想~。」 彼は、言った。 「お前ら、女の子に失礼なこと言うなよ。」 嬉しい。 生まれて初めて誰かに人間扱いされた。 女の子扱いされた。 それも、一番大好きな男の子に。 嬉しい  嬉しい   嬉しい       嬉しい        嬉しい 『嬉しい』が乱舞するほど嬉しい。 これ以上は望めないけれど、 最高の恋をしている。 私は今、世界で一番の、幸せ者だ。
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