書き方について その5

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書き方について その5

 脱稿しました。  タイトルは「薄暮(はくぼ)」です。  エブリスタでアップしましたので「書き方について」を読んで興味がありましたら、ご一読下さいませ。  前回はラスト付近でキャラの出方を待つといった締め方になっていたかと思います。  その時点での話は、たゑが木乃伊の欠片と手に入れ、夫の元まで戻って来るといった終わりにしようかと、ぼんやり考えておりました。こんな感じ。  ※ ※ ※  懐に抱いてきた手拭いを土間で広げた。  乾いた肉片を擂り潰す。  粉状になった物をたゑは黙って見つめた。  目覚めた夫がたゑを呼んだ。  たゑは微笑み、  夫の元へ手に入れた薬を運んだ。  ※ ※ ※  ってな様子で、この後は薬を飲ませたんだな。(無理だと思うけど)直ると良いな的なニュアンスです。  これがたゑのお気に召さなかったようで、欠片を手に入れ、山を下るまでは、素直に動いてくれたのですが、そこから先、どうも「こうじゃない!」と思われているご様子です。  俗に言う、キャラが勝手に動くといった状態ですね。想定して書こうと思った内容が進まなくなる現象です。  こうなると、ほぼ行き当たりばったり。筆を止め、行動が浮かぶというか、少し考えて勝手に文章が打たれるのを待つ? 感覚としては、その状態が同時進行されるといった感じかな。脳内のスクリーンで再生されるものが自然に文章として上がるみたいな?  かなりの確率で考えていなかった結末となります。今回もそんな感じでした。短編では割りとありがち。最初から最後まできっちりと固まっているものもありますが、印象に残るのはキャラ任せの方。どうも固まったものだと予定調和過ぎて、どっかで見た感が出ちゃう気がします。  で、書き進めた結果ですが、そこで終わりかいな! となりました。それ以上、短くも長くも出来ない。書き過ぎると空気感が壊れるし、読み手の考察が自由に広がらない。つまり、自分には手が出せない。やってくれたな!  人によっては書き逃げとか言われそうですが、妄想の選択肢が多い方が、深読み出来て、個人的には好きなので、なかなか良い締め方になったのではないでしょうか。  見事にバッドエンドです。救いの無い話は嫌いではないです。むしろ、大好物ですが、あまり救いが無さすぎるのもどうかと思うので、正直、無いわ~となりました。 ※もう一回続きます。
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