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その2
その2
アキラ
しかし、昨日は予想外の人間が立て続けだった
タクヤと”あの”週刊誌記者がオレの前に現れて…
この二人と接触したら、やっぱり麻衣の存在に考えが及ぶ
そう言えば、アイツ、昨夜も夢の中に来やがったし…
やっと帰ってこれたのに、ケイコちゃんのこと考えようとすると、いつも麻衣が入り込んでくる
今日は、一応病院だし、昼食終わった後見計らって、午後からにしようかと思っていたが…
朝早くから目が覚めちゃうし、落ち着かないわ
よし、午前中行ってこよう
なにしろ、麻衣との話は少しでも早く済ませたい
ここにきて中途半端な遠慮は無用だ…
朝食を喉に通す頃には、そう割り切っていた
...
その前に、昨夜下書きした赤子さんへの返事、清書しなくちゃ
あの人も、俺が警察にお世話までとは、承知していないようだ
であれば、詳しい説明は、一段落して会ったときにしようと思う
まずは、今もオレのプロへの機会を気遣ってくれてるお礼をしなくちゃ
それと…、さりげなく”あの子”との進展具合も心配(?)してくれてるので、その辺もか
と言っても、通り一遍のことしか今は書けないけど…
...
赤子さんへの返事を近くのポストへ投函後、麻衣の入院先へ向かった
さわやかな秋晴れの午前10時ちょうどだった
バイクに乗って初秋の風をきりながら、オレは考えを巡らせていた
本郷麻衣…
この子を初めて見た時は、いわゆるズべとかスケ番の典型と思っていた
ところがどうだ
ヤツはヤクザ顔負けのとんでもない凶暴な女だった
大阪行きの夜、オレを拉致した黒幕はなんと、こいつだよ
今年17歳の一女子高生だよ、こいつ…
世も末だろ、あり得ないって…
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