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バイトが休みだったから学校が終わってから真っ直ぐ朔夜んちへ だけど朔夜はまだ大学にいて俺はそのまま1人で朔夜が帰って来るまで留守番 ソファーに座りシーンとしたリビングを見渡してみると本当広い部屋だなぁと改めて思う 卒業したらここが俺の居場所になるのか…… 自分とは不釣り合いな広い部屋、それに贅沢な暮らし 俺、本当にここに住んでもいいのかな 家賃、幾らぐらいなんだろ 光熱費だって毎月幾ら掛かってるんだろ 食費だって消耗品だって他にも色々お金が掛かる 一緒に生活するんだから借金返済とは別で俺も生活費を入れないと…… 考えるのはお金の事ばかり 一緒に住むのに全部朔夜に出して貰う訳にはいかない ただでさえ何の役にも立たないのにヒモだけにはなりたくない 朔夜の役に立つ事…… 俺が朔夜の為に出来る事は一体何なんだろう 「はぁ、やっと終わった」 「お疲れ様でした。このまま真っ直ぐ帰宅ですか?」 講義が終わり帰ろうとしたら尾澤にそう聞かれた 「憂が家で待ってるんだ」 「あ、そうでしたか。では早く帰らなければいけませんね」 「ん?何か用でもあった?」 「いえ、たまには一緒に夕食でもと思いましたが……」 「夕食?俺と?」 「ええ」 珍しい…… と言うより尾澤から誘われたのは初めてだった 「じゃあ行く?」 「え?」 「憂も一緒でいいなら」 「勿論ですよ」 「ちょっと待ってて。憂に連絡してみる」 「ええ」 携帯を出し直ぐに憂に電話を掛けた すると、直ぐに憂はOKしてくれた 「じゃあ一緒に俺んちまで憂を迎えに行こっか」 「ありがとうございます。朔夜の車に乗せて貰うのは初めてですね」 「因みに助手席は憂専用だからね」 「そんな事は承知してますよ」 「流石尾澤」 「ふふっ当たり前じゃないですか」 他愛のない話をしながら駐車場へ向かった .
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