20/46
前へ
/642ページ
次へ
そして結局材料の買い直しから再スタート 超簡単簡単だと調子に乗っていた颯太はかなり凹んでいた 「クソッ……生クリームの罠だ」 『まさかだよな』 動物性と植物性があったなんて…… 2種類あったからメーカーの違いだけかと思ってたのに だからあんなに値段が違ったのか 「っつーかお前自分の仕事ジャンルのくせにそんな事も知らなかったのかよ」 『や、品出しだけどそんなのいちいち見ないから』 気を取り直してチョコを作り直して再び冷蔵庫にIN! 「お前最近朔夜先輩と何かあった?」 チョコが固まるのを待っている間颯太からそう聞かれた 「いつもやる気ねーけどいつも以上にボケーっとしてやがるし活気がねーんだよな」 『そーか?普通普通。ってか無理矢理起こされたから今も眠いんだよ』 「悩み事があんなら言ってみそ。俺が聞いてやるからよ」 『別に悩み事なんか……』 「…………」 『うっ……』 ジリジリと颯太に詰め寄られめちゃくちゃ睨み付けられた ま、颯太だしいっか…… 『……はぁ、やっ別に悩み事とかじゃないんだけど』 「おう」 『ほら、俺高校卒業したら朔夜と同棲するだろ?』 「うんうん」 『本当に一緒に住んでもいいのかなーって……』 「あ?何言ってんだお前?」 『何の取り柄も無い俺があんないい所に住んで贅沢な暮らしだなんて……不釣り合い過ぎてさ』 「…………」 『それに一緒に生活する訳だし1つでも何か朔夜の役に立たないと……一緒に暮らす意味がないかなって』 「っつーか逆に意味なんかあんの?」 『え?』 そう言われ、俺は颯太を見つめた 「確かに先輩はマジですげぇからお前が恐縮しちまうのも分かるけど……」 『うん』 「俺だったら相手にそんな事言われたら傷ついちまうかなー」 『え?』 「役に立つとか立たないとか相手にそんな事求めてる人なんだったら最初からお前と同棲したいなんて言わねーよ」 『…………』 「まず役に立つって何だよ。いつも一緒に居たいから同棲するんだろ?相手と同じ時間を共有したいから一緒に生活するんだろ?」 『そうだけど……』 「お前は朔夜先輩と一緒にいたくねーの?」 『……そりゃ居たいよ』 「だったら今はそれでいーんじゃね?憂の気持ちも分からなくもねーけど……役に立つとかそんなのは実際に住んでみないと何の役に立てるのかも分からねーし」 『まぁ……』 「お前は昔っから考え込む奴だからなぁ、もっと俺みたいに楽観的に行けよ!」 『颯太は楽観過ぎだろ』 「ポジティブポジティブ!!ああっ!!!」 『うわッッ!!』 ポジティブと言った瞬間生チョコにかけるはずだったココアパウダーをそこら中にぶち撒けた颯太 『…………』 俺と颯太は似ている やる事なす事全部…… でも颯太はポジティブ、俺はネガティブ .
/642ページ

最初のコメントを投稿しよう!

709人が本棚に入れています
本棚に追加