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「勝哉さんも遂に卒業ですね」 「おー」 尾澤宅に泊まりに来た勝哉 「長かったぜ5年もの高校生活はよぉ……」 「本当よく辞めずに頑張りましたね。感心します」 「まぁな。ババアがどうしても高校だけは卒業しろってうるさくて仕方なかったからなぁ。俺的には留年した瞬間に辞めて良かったんだけどな」 「いいお母様です。そしてちゃんと辞めずに頑張った勝哉さんは本当に偉いです」 ハンカチ片手に涙する尾澤 その姿はまるでおかん…… 「っつー事でお前に朗報だ」 「朗報とは?」 「おらよ!引っ越しそばくれてやるよ!」 「え?」 そう言った瞬間勝哉さんが何かを投げ付けて来た 「…………」 それを咄嗟に受け取り呆然としてしまった 引っ越しそば…… 「え!?」 「隣じゃねーのは残念だがてめぇーの下だよ!」 「下……えっちょっと待って下さいどう言う事ですか?」 「面倒臭え奴だな。だからてめぇの部屋は2階だろが!下の部屋に俺が住むんだよ!!」 「え……えええ!!?」 びっくりし過ぎて思わず引っ越しそばの箱を足の上に落としてしまった 「痛っ!」 「おいおいおい何やってんだよ全く」 「ちょっと待って下さい!いつの間に……え、本当ですか?」 「おー!ほれ見ろ、鍵だ」 「…………」 そう言い今度は鍵を投げられた 「まぁまだ荷物やら何やらは一切運んでなくてガラッガラだけどぼちぼち運ぶからよ」 「まだ高校生ですよね?」 「あ?年は成人してるっつーの」 「いえっ……まぁ細かいことは今はどうでもいいです。え、一体いつ……」 「言っただろ?同じハイツに引っ越すって」 「いきなり過ぎますよ!!」 「いきなりじゃねーっての前に言っただろーが」 「そうですけど……」 嬉しさより驚きの方が勝ってしまってどう反応したらいいのか分からなくなってしまった 「何もねーけど……見に行くか?」 「勿論です」 勝哉さんに投げられた鍵をぎゅっと握り締め頷いた .
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