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「頭上げてくださいよ」
勝哉さんは父にそう言った
「そんな簡単に許しちまっていいんすか?俺こんなんすよ?喧嘩ばっかやってたし頭も悪りぃーし5年も高校やってっし」
「それでも君は諦めずに通い続けたんだろう?なかなか出来る事じゃないよ」
「まぁ……」
「それに頭が悪いからと言って人間性までは悪くないだろう。勉強が全てでは無いと私は思うよ……それに君は自分を良く見せようとするどころか自分の事を悪く言っている。私にこの選択を後悔させない為なんだろう」
「…………」
「孝浩、お前が選ぶ道は本当に厳しいと思うぞ。それでもその道を貫くんだな?」
「勿論です。例え後悔したとしても……これは私の人生であり私が選んだ道です」
「分かった。ならもう何も言うまい」
そう言い、父は立ち上がった
「今度二人で実家に帰って来なさい。母さんも勝哉君に会いたがっているから」
「……はい」
「じゃあ私はそろそろ帰るとするよ」
「あのっ父さん……っ」
「ん?」
「理解してくれて……本当にありがとうございます」
そう言うと、父は笑って勝哉さんにまた頭を下げた後部屋から出て行った
「お、おい大丈夫かお前」
その瞬間、私は足の力が抜けその場に崩れ落ちた
そして次に両目が熱くなって涙がポロポロと流れ落ちて来た
「あーまたかよッッ」
「すいません……」
「ったく、仕方ねー野郎だなお前は」
勝哉さんの大きな手に涙を拭われた後そのままぎゅっと抱き締められた
「あー超緊張した」
「……え?」
「おら見ろよ腕の筋肉ガッチガチじゃね?」
「……緊張したら筋肉がガチガチになるんですか?」
「ああ?」
クスッと笑いそのまま勝哉さんにキスをした
「勝哉さんどうしましょ」
「何が?」
「本当に嬉しくて……夢じゃないですよね?」
「夢じゃねーって事分からせてやろーか?」
そう言ってニヤリと笑い、勝哉さんに抱き上げられベッドまで連れて行かれた
幸せ過ぎて死にそうだ
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