Last Judgement

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 拍手が溢れる中、文学界の巨匠が聖字に近づいてきた。 「おめでとう、君は表の文学界にデビューしてもいいんじゃないのかい? おそらくベストセラーを生み出すことができると思うよ」 「恐縮です、でも俺にはやりたい事が別にある。小説、出版なんて小さな枠に囚われない、世界を創造する仕事をやってみたい。だから小説家にはならない。小遣い稼ぎができれば、それで十分」 「残念だな、君なら今低迷するこの業界を変革させるかもしれないと思ったのだが……」 「小説には一文字、一文字に命が宿っている。その価値は計り知れないものがある。たとえ小説という表現方法が消滅したとしても、その命は次の創造につながる貴重な財産だ。俺はその財産を次の世代、技術へ引き継ぎ、進化させる野望を持っている」  デュエルノベルは終了した。聖字は一人、闘技会場を後にした。
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