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L-I-N-N-E
「おはよう、聖字くん」
「あ、おはよう」
「昨日はどうもありがとう、紹介してくれたマジシャンさんが勝ってくれたみたいね。お父さんもお礼が言いたいって。今度、彼も一緒に食事でもどう? って言っていたわよ」
文美が手を後ろに組みながら、ニコニコと語りかけてきた。
「あー彼はかなり忙しい身だからね、そんな気軽に誘えないよ。僕もチャットで相談しただけだし、そんなに仲いいわけじゃないから。感謝されていたということだけ、伝えておくよ」
「そう? 残念! 私ちょっとマジシャンさんに興味持っちゃったんだけどな……」
少し顔を赤らめながら、目をキョロキョロとさせる文美に、聖字は「はは」と愛想笑いをしておいた。
「さてと……これから忙しくなるな。未来の目標を実現するために受験勉強、がんばらないと!」
聖字はまだ知る由もない、未来において最強のライバルが出現することを。
よもや自ら創造した自己発想型人工知能“LINNE”と対峙する日が来ることを。
フフ……それは私のこと。
あなたと対決する日を待っているわ。聖なる魔術師
L-I-N-N-E
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