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WRITE ON
「さあ! まもなく開始だ。デュエルノベルブラッディ杯決勝戦! みんなベットの準備はいいか?」
ここは闇小説闘技場、小説の面白さで勝敗を決する賭博場だ。アンモラルだの、非道だの、残虐だの、一切関係ない。面白ければ、なんでもあり。
1スター1,000マネーからベットできる。勝者を予想し、賭け率に合わせた配当金を受け取ることができる。スターを多く取ったほうが勝者となる。
「本日の対戦はDog fangsのリーダーMARIと、対するは孤高の一匹狼セントマジシャン! はたしてMARIはセントマジシャンの無敗記録を打ち破ることができるのか?」
[リーダー、大丈夫ですか? あいつに勝つ手立てはあるんですか?]
Dog fangsのメンバーがチャットでリーダーに問いかけてきた。
[心配しないで、手は打ってある。運営関係者を買収済よ、見てなさい]
ジャッジからのアナウンスが流れてきた。
「この決勝ではテーマに合わせた小説を書いてもらう。制限時間はハーフデュエル制30分だ。そしてそのテーマとは……」
ダン! ダン! ダン! ダン! という音とともに、画面に大きくテーマが表示された。
「『究極の恋愛』! これは~Dog fangsの十八番中の十八番だ!」
[グルルル、ほ・ら・ね?]
[さすがです、リーダー]
「さあベット開始だ。これは不公平だの言い訳は関係ない! 勝つのが正義だ!」
ベットが開始された、まず最初に予想勝者にスターの仮登録を行う。画面には次々と星が並んでいった。
「勝敗の予想結果は……? MARI、800スター! セントマジシャン、100スター! MARI、圧倒的に優勢!」
MARIが優勢なのは当然だった。彼女はノベラーチームの組織票を一気に投じている。小説がどんな内容になったとしても、勝ちを揺るぎないものにしていた。
「さあ、ここからが本番だ。デュエルノベルを開始する、両者準備はいいか?」
――OK――
――OK――
「ターイムカウント、5、4、3、2、1、WRITE ON!」
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