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本の触りはこうだ
いつもと変わらない毎日、何かを変えたいと思っていた訳ではない。しかしそれは突然始まる、自分の定義がすべて崩れ去る出来事が…
「俺の考え方が変わる日…ねぇ…」1人田舎道を駅まで歩く下校途中に呟いた。周りは猫すら歩いていない、誰にも聞かれていない独り言
学校は嫌いじゃない不満もない。友達がいらないとかそうゆうのじゃない。ただ家族以外と話すのは苦手で高校2年になっても友達はいない。
ましてや恋人なんているわけがない。
本があれば生きていけるのだ。
俺は見た目が地味だ、校則のゆるい田舎高には珍しく髪も染めてない、着崩しもしない、ずば抜けて得意な科目もない。目立たない生徒だ
趣味といえば本を読む事で片時も読書中の本を手放したりはしない。
文字は良い。
文字の並びを見ているだけで心が落ち着くし、それが教材なら知識になる。それが小説なら知らない世界を知ることができる。
このただの紙の束が文字をしたためただけでヒトの心の財産になるんだ。
だから俺は最低限の生活と本さえあればそれでいい。
友達も恋人もいらない。少なくとも今は
今日の下校の電車はいちだんと混み合っていた
田舎学校だから下校時間のワンマン電車は学生しか居ない。
「今日混んでない?あ〜部活無いのが多いからかな?普段見ないのまで乗ってるからウザ〜笑」前で吊革に捕まるケバい女子がそう言っている。確かに普段は乗り合わせない部活の生徒がいる。校庭の花壇工事とかで使用禁止になっているらしい。
俺は帰宅部だから関係が無いし。いつものように駅で読書をして一番乗りに乗り込んだから席も確保済み。特に今日の状況は気にならなかった
「ん?」誰かがコッチを見ていたような気がした
しかしそちらを確認しても知り合いはいない。
チラッ
また見られた気がした。
「うわぁ(//∇//)ちょっとこっち見たよね?あの人!めちゃイケメンで有名な!たしか〜美浦あきゆん!」さっきのケバい女が騒いでいる
「やめときなよ〜。あいつ顔は良いけど今5又かけてるらしいよ〜。女とっかえ引っ換えだって噂、知らないの??」連れの女は爪をキラキラさせケータイを触りながら答えている
「あと あきゆん じゃないから 美浦暁之 だから アキユキ !」
俺もアイツの噂は聞いたことがある。学年は俺と同じ2年。異性間の悪い話を耳にする。
とてもモテるらしく、女を取っ替え引っ換えすることが趣味だ。とか、他人の女を寝取るのが趣味だとか。ヤリたければアイツに声をかけると良い。だとか…
気にした事はなかったが、改めて聞くと最低な人間だな… と、その男の方を見ていると。
不意にヤツと目が合った。え?さっきから視線を感じるのはアイツなのか??
そんなはずはない。きっと前の女子2人を見ているのだ
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