一冊目(普通が変わる日)

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ある日の放課後、本を読み耽ってしまい遅くなった。電車ももう間に合わないだろうから1本遅らせようと決めて、とりあえずは駅に向かうことにした。田舎電車は本数が少ないから次、乗れないと目も当てられない。 下駄箱で靴を履き替え校庭に出た時だ、体育館への渡り廊下の影でイチャついているカップルが見えた、この前目が合った 美浦暁之 と…目の前の吊り革で話していた爪がキラキラの女?あぁ、妙に腑に落ちた。確かにしつこく、ケバい女の取り留めのない話に絡みに行っていた。ライバルが増えるとでも思ったのか?必死に「あの男はやめておけ」と忠告していた。 俺が聞く分に、ケバい方はその気なんてなさそうだったが?恋は盲目というやつなんだろうか 今度は目が合わないように通り過ぎる、とは言えだいぶ距離があるしこちらに気がつく訳も無いけれど… ? 見られた気がして振り返る。でもカップルはもう居なかった。…気のせいなのだろうか。 この前の事もある、視線を感じて振り向くなんて事は今までしたことがなかった、少し怖くなって手に持っていた読みかけの本を握りしめた ワンマン電車に揺られ読書をするのが日課だが、今日は集中出来ずに最寄り駅に帰ってきてしまった、自転車で5分くらいの所に家がある。家でなら集中して読書ができるはず、視線なんて気にせずゆっくりして 「この駅使ってたんだ?アンタ??」 !!! 背中のスクールバッグから自転車の鍵を出そうともたついていると、背後から話しかけられた 話しかけてきたのは美浦暁之だ。何でココに!!??この駅は利用していないはずなのに? もしかして「イイ所だったのに邪魔しやがって許さん」とか言い掛かりつけにきたのか??集られるのか!!!金なんてないぞ 後退り自分の自転車にぶつかる。 「何で怖がってるの?タメに声掛けられただけで(笑)、彼女を家に送って帰ってきた所だよ?」ニコニコと笑いながら近寄り俺の自転車のハンドルに手をかける いや、普通に怖いし!コイツ俺より頭一つ分くらいデカい。俺だって170は身長あるのに? 無視して帰ろうにもサドルを掴まれていて逃げ出せない「用がないなら帰ってもいい?ですか?」動揺しすぎて敬語になってしまった すると美浦は慌てて「待ってよ(汗)ほんとに怖がってない!?ごめんごめん急に話しかけて(汗)怖がらせるつもりじゃなかったんだって」大袈裟に手をひらひらとさせて謝ってきた 「実はさっき彼女に振られてさぁ〜、落ち込んでた所にアンタを見つけて〜キスしてる所を見てしまった よしみ で慰めてもらえないかな〜と、寄ってきたの!!」 ??どうゆう よしみ だよそれ? と言うか、それは見ていない!しそうな雰囲気ではあったが… 「で、アンタはそうゆうの盗み見るのが趣味なのか??」「はぁぁぁ???」馬鹿な勘違いをされて顔が真っ赤になった
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