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「あお〜、いい加減部活来いよ〜。」
「ん〜、あぁ、今日、行くよ。」
「え、まじ!?みんな絶対喜ぶじゃん。俺お手柄〜。」
「いや別に、お前に言われたからって訳じゃないんだが…。」
「え〜、ツンデレすんなって。てか、とっとと行こーぜ。」
「あ〜、先に行ってて。俺、ちょっと用があるから 。」
「え、やだけど。その言い訳に乗せられて、俺が何度あおに巻かれたか。もう騙されねえぞ。」
「そういやそうか。じゃあ、付いてきてもいいけどさ。」
「ぜってー逃がさねえかんな。で、どこ行くの。」
「ん、落し物箱のところ。」
「へ〜、なんか面白いもんでも拾ったのか?」
「別に面白くねえよ。」
「なぁーんだ。つまんな。」
「それ俺悪くねえ。俺がつまんないみたいに言うな。」
「あおくんつまんなぁ〜。」
「部活やっぱ行かないことにしよっかな。」
「あ〜!!嘘っごめんっ!!部活行こっ!!」
落し物箱に入れるのは、いつの日か拾った、あの筆箱。少年と出会った日から部活に行く気は無くなってたから、スポーツバックは放置したままだった。久しぶりに昨日開いて、思い出した筆箱。数週間持ってたとか言いづらくて、ここに置いとくことにした。
「これでよし、と。部活行こーぜ。」
「よっしゃ。お前より点とってやるからな!!」
「絶対負けん。」
玄関に向かいながら、ちらっと1年生の階を見る。少年が教室にいるのかはわからなかった。助けてやれなくて、ごめんな。
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