第3章 2人で家出という旅を…

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第3章 2人で家出という旅を…

 僕は毎日学校帰りいつもの公園に寄って赤垣さんと一緒に寄るまで話し込み2人でいる時間が長くなった。きっとあの時の僕の悩みを泣きながら彼女に明かしたことがきっかけではないかと僕は思いながらも赤垣さんと出会って1週間が経った。 今日も僕は夜7時くらいまで2人で話して家に帰ると、母親が玄関で僕の帰りを待ち構えていた。 僕はただいまと言うと 「叶翔、いったいここ最近帰りが遅いけれどどこに行ってるの!!」 母はとても怒っているようで口調が少し荒い。 だから僕は母をあまり刺激しないようにと思い 「友達と公園で話してたらいつもこんな時間になってごめんなさい」 と素直に謝った。 だが母は僕の顔に思いっきりビンタをし 「まさか、私の悪口でも言ってるでしょ。叶翔、一体誰がここまで育ててやったと思ってるの、もう少し私の役に立つ人間になりなさい」 そう言ってもう一発僕はビンタを食らい、顔はヒリヒリとしながらも母がリビングへ行ったのを確認すると僕は自室へ戻り荷物を床へ投げやるとベッドへダイブして 「早くこの家を出て1人で落ち着いた生活がした」 と思いながら僕は枕で顔を隠すと静かだった家の中がまた少しずつうるさくなり始めた。僕はきっと継父が戻って来たんだろうと思い耳を澄ませるとリビングからいつものように絶えず言い争いの声が聞こえてくる。 僕は何のためにここにいるんだろうかと思いながら目を閉じて頭の中を空っぽにし何も考えないでいると今日も眠りについた。  目が覚めるともう朝5時半を回っていた。 僕は久し振りにこんなにも寝たなと思い朝からシャワーを浴びて制服に着替えると珍しく母はリビングにはおらず継父のみがいた。 僕は何も言わずに冷蔵庫からお茶を取り出しコップに注ぎお茶を飲むと 「いつもごめんよ、別に喧嘩したくてしてるわけではないんだよ。ただ意見が全く合わないというか…」 途中まで言うと継父は黙り込んでしまった。僕は別に気にして無いんで大丈夫ですよと言うと 「継父は僕にこれやるから2泊3日して少し気分転換に旅行でもしたらどうだ」 そう言って封筒を僕に出してきた。 最初は戸惑い無理ですよと言うと 「いつも迷惑をかけているから、旅して少し気持ちを楽になってきなよ。いつか時間があったときに渡そうと思って先週くらいからずっと準備してたんだけど全然時間が合うときが全く無かったから」 そう言われ僕はそれじゃ遠慮無くいただきますと言い封筒を受け取った。 すると継父はありがとうと言ってそれじゃ言ってくるよと言い会社へ行った。 僕は封筒をもらって中身を数えるとそこには20万円が入っておりきっと継父は僕にずと何か後ろめたさがあったのだろうと思いこれを渡したのだろうと感じ、僕は明後日このお金を使って家出というなの旅行をしようと決めた。  僕は大切に自分の机の鍵付き引き出しに大切に保管し、朝学校に行く間に行き先やホテルを探し、今日中には予約までしたいなと思い朝から放課後まで一生懸命に探した。そして僕は今日もいつもの公園に行くと赤垣さんはすでにもう待って居た。 「お待たせしました、赤垣さん」 すると赤垣さん僕に 「何か良いことでもあったんですか?」 と訊く。僕はまぁーそんなところですねと言うと 「そうですか、それで何がいいことあったんですか」 赤垣さんはとても気になってい仕方が無いようだ。だから僕は今朝の事を説明すると 「なるほどー、私もついて行って良いですか。ちゃんと旅費は自分で出すので」 僕は別に問題が無いので 「それじゃ、一緒に行きましょう」 そう言って1人で行く場所を無かったことにして、2人で行き先とホテルを決めて、明後日の日に行く場所は広島県尾道市に決まった。2人で当日何時にどこに集合かを決めて出かけることにした。                    ※   時が経ち僕らは地元小倉駅に午前9時に集合し新大阪行きの新幹線にのり広島で乗り換えた後新尾道で降りてバスでJR尾道駅まで向かった。 初めての地に僕ら高校生は肩書きでは2人で決めた『家出』と言うなの旅を行うことをし11時過ぎには尾道市に着きしばらく街中を回ったり海を眺めて夕方のチェックインまでしばらく時間を持て余した。  ホテルチェックイン午後3時、僕らはようやくホテルでゆっくり休めるのかと思いチェックインを終えると各部屋に行き荷物を置くと赤垣さんは僕の部屋に来た。 今回は3泊4日の滞在をするので、尾道を思いっきり満喫しながら心の疲れを癒やすのが最大の目的と2人の中で決め僕らはとりあえず今日はホテルでゆっくり休んで明日から尾道を探検しようと言うことになり、僕と赤垣さんは僕の部屋でスマホゲームをしたりしてのんびりと過ごした。 そして、赤垣さんは僕に 「そういえば、私達ってまだ連絡先交換してなかったじゃない、今から交換しようよ」 赤垣さんそう言って僕に追加するようにQRコードを見せてくる。 僕は赤垣さんのQRコードを読み取りアカウントを追加すると 「これでいつ何があっても連絡お互い取れるね」 そう言って彼女は僕に言った。 僕はそうだねと言って、お互いチャットでスタンプを送り合いながら尾道初日の夜を終えた。  翌日尾道2日目僕は朝から赤垣さんの部屋に向かった。 向かったと言っても1つ隣の部屋なのでさほど遠いわけでもなく、お互い行き来できる距離なので朝は僕が彼女を起こすように昨日の夜言われた。 僕は彼女の部屋を何度かコンコンとノックすると部屋の扉は開き寝起きの赤垣さんがそこにはいた。僕はもう朝ですよと言うと後1時間寝かせてと言うので僕は分かりましたと言って赤垣さんの部屋で1時間時間を潰し、きっちり1時間後に起こすと彼女は目を覚まし出かける支度を始めた。 僕は今日は沢山回るのでとりあえず朝食をしっかり食べてから行きましょうねと言うと赤垣さんはそうだねと言い2人の楽しい旅行は幕を切った。                  ※  尾道の旅はとっても楽しかった。 あっという間に旅の日程が過ぎ去り、サイクリングもしたし隠れパン屋さんなども回った。僕らは楽しく過ごし尾道最後の夜に赤垣さん僕に 「もうそろそろ私の事花音って呼んで欲しいな」 と要望をしてきた。 僕はまだそれは恥ずかしいなと言うと 「お願い、叶翔」 赤垣さんは急に僕を呼び捨てで呼んだ。 だから僕は驚いたが赤垣さんはどうしても下の名前で呼んで欲しいらしく僕をずっと見続ける。だから僕は何度か息を整えながら 「か、か、花音」 すると赤垣さんはもう一回呼んでと言った。 だから僕は 「花音」 と2回目は恥ずかしかったが1回目よりさほど緊張することなく呼べた。 赤垣さんは嬉しいと言って 「今度からは赤垣さんではなく花音って呼んで」 と言う。 僕は2回も呼べたので次も呼べるだろうと思い 「分かった、いいよ花音」 と言うと花音は少しにやけながら 「うれしいよ、叶翔」 そう言って2人で名前を呼び合いっこをした。 そして、午後7時半過ぎそろそろ晩ご飯を食べに出かけるべくホテルの中にあるレストランに行き2人で最後は同じ物を食べて、部屋に戻ると花音は僕に 「少し訊いても良いかな?」 急に改まったような聞き方をした。 だからどうしたのと訊くと 「叶翔はさ、キスってしたことある?」 僕は急な質問に焦りながら 「キ、キスはまだ一度もしたことあ、ありません」 と少し言葉をかみながらも言うと花音はフーンと言って僕に近づき 「それじゃ、これが始めてのファーストキスだね」 花音が言った後に僕と花音の唇が触れあった。 お互いの体温を唇で感じ取れるくらい体は熱く、キスを終えると 「叶翔のファーストキス私奪っちゃった!」 そう言って少し恥ずかしそうに笑う。 僕はそれに対して何も言えなかったが、お互い恋人らしい事を初めてした。  翌日僕らは新幹線で家へ帰る。 この家出期間中家からの連絡は一切無く、きっと継父が母さんに言ったんだろうと思いながら僕は花音と一緒に北九州へと帰った。
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