第4章 本当のことと、そしてさよならを

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第4章 本当のことと、そしてさよならを

 北九州に戻り家に帰ると母さんは何も言ってこなかった。 僕は一体何があったんだろうかと思いながらもとりあえずこのまま何も変わらない生活を過ごすこと1週間、花音と最初の〈1ヶ月私に君の時間をくれ、そしてもし少しでも生きることが楽しかったら生きれ、その反対にもし少しも今の現状と変わらないのならば君は死んでも良いぞ〉 と言う約束にあと2日でなる。僕はもう生きていくことにしようと花音に訊かれる前に僕はもう心の中で決めた。そして僕は今日も花音と夕方いつもの公園で待ち合わせをして一緒に楽しい時間を過ごしていると 「叶翔、私と最初にあった時よりも今は凄い生き生きしてるね」 花音は嬉しそうに言った。 僕は花音のおかげだよと言うと花音は違うわと言って 「これはあなたが自分の現状をうまくしているのよ、だから今も楽しいと思っているし、きっと家庭内でも何か少し変化があるのではないの?」 と花音は言った。僕は家庭内の変化かー、と思い返しているとそういえば毎晩両親の言い争いが減っているなと言うことがあった。だから僕は花音に 「最近、両親の言い争い減ってきてるんだよ」 と言うとそれはあなたの影響がきっと大きかったのよ。 あなたがいなかった3日間や私とこうして一緒に居た時間あなたは家にいなかったでしょ、そういう少しの変化から人は変わっていくのよと花音は言い僕はだったんだと改めて知った。すると花音は僕に 「あなたに明日大切な話しをしなければならないの」 と言う。 僕は花音に 「僕も明日、花音に言いたいことがある」 と言って僕らはそれじゃ明日お互いに言わなければいけないことをしっかり言いましょうねと言って僕らは今日も今まで通り、公園のベンチに座ってたわいもない会話そして夜7時過ぎまで公園で過ごし僕らは今日も別れた。                  ※  そして翌日、お互いが言わなければいけないことを言う日。 僕は学校が終わるといつものように直接公園に行った。 するといつもは子どもたちが楽しく遊んでいるはずなのに今日は誰一人としていなかった。僕はこんな日もあるんだなー、と思って居ると 「お待たせ、叶翔」 花音はそう言って僕の隣に座りながら言った。 僕は今来たところだから大丈夫だよと言うと 「それじゃ、本題に入りましょう」 と花音は言い先にどっちから話しましょうかと花音は言う。 僕は花音に 「それじゃ、僕から先に言って良いかな?」 と言うと 「良いよ、それじゃ先に話して」 そして僕は花音に伝えなければいけない話しを始めた。 「花音、僕と花音が付き合うときに言ったこと覚えている?」 花音は軽くうなずく。だから僕は話しを進めた。 「花音が言った1ヶ月私に君の時間をくれ、そしてもし少しでも生きることが楽しかったら生きれ、その反対にもし少しも今の現状と変わらないのならば君は死んでも良いぞって言った件だけど、僕は君と一緒に過ごして分かったんだ。花音と一緒に居れば楽しい日々が送れると。だから僕はこれからも生きることを選ぶよ」 すると花音は涙を流しなら 「嬉しいよ、君が、叶翔が生きる道を選んでくれて」 そう言いながら花音は笑った。 僕は花音に 「生きる楽しさを見つけさせてくれて本当にありがとう。これが僕が花音に言いたかったことなんだ」 と言って僕の伝えたかったことは終えた。 すると花音は涙を未だ流しながら 「ごめんね、なんか涙が止まんないの、だから、もう少し待って欲しい」 僕は前に花音に抱きしめられたことをい思いだし僕も花音を抱きしめると 「叶翔の温もりが本当に伝わってくるよ」 と言ってしばらくそのままでいること10分ほどで花音の涙は止まり、次は花音が言った。 「叶翔、今から私があなたに伝えなければいけないことはあなたを大きく変えてしまうかもしれないことです。口を出さずに最後まで訊いてください。 私は本当は人ではないんです。きっと今私の話を聴いて何言ってんのって思ってるでしょ、私はね今から5年前に交通事故で死んじゃったの。当時私は高校2年生で、横断歩道の信号を待っているときにもの凄い勢いの車で私に突っ込んで来たの。そのときに私は車に弾き飛ばされ、空高く体は上がりそのまま地面に落ちて死んだ。私は人に夢や希望を与える教員になりたかった。でもその夢を叶えられることなくこの世を去った。だから私は死にたいと思っている人を助けようと未だこの世界にいたんだけれど、叶翔がもう生きていけるって感じるようになってから私はもう今少しずつ成仏し始めてるの。今まで救えてこれなかった命を私は1つでも今救えた。だから私は叶翔に言わなければなりません。今日でもうお別れです、今まで本当に楽しい時間をありがとう。私は成仏しても空からずっとあなたのことを見守り続けるから」 そう言って花音はいつものようにニコッと笑った。 だがその笑顔からは悲しみも感じる。 僕は花音に、そうだったのかと言い 「花音の夢、絶対に叶えるから、立派な教員になってみせるから、絶対に僕の事見守り続けてね」 僕は花音に約束をした。 すると花音は 「ありがとう、叶翔。私とても嬉しい、こんな素敵な人と出会えてとても嬉しかった」 花音はそう言って涙を我慢する。 僕も花音と同じように涙を我慢する。 お互い知っているんだ、ここで泣いてはダメなことを。 ここで泣くのではなくお互い笑顔で互いのこれから先良いことがありますようにと祈っていくことを。 僕らは最後にお互い抱きしめて 「ありがとう、花音」 「こちらこそ、ありがとう、叶翔」 僕らはしばらく2人で抱き合いながらも花音はいつしか消えて行った。 最後の最後まで涙を我慢して、お互い笑顔で送り出すために。
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