第1章 君は私の恋人になりなさい

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第1章 君は私の恋人になりなさい

もう生きるのがつらい。 そんな事を思い始めたのは中学時代からだ。 なぜなら中学入学したときから今まで母親が片親として育ててくれたが、母親の再婚で新たな父親ができ、中学入学と同時に他県へ引っ越し家庭内は大きく変化をした。そして再婚から数ヶ月で継父(けいふ)と母親は毎日家には帰って来ると僕が寝静まったであろう時間になると朝方まで言い争いを続け、僕が朝起きてリビングへ向かうとすでに継父は会社へと向かっている。 そんな生活に僕は嫌気を刺しながら、もう家にはいたくないと思っていたが学校でも僕は一人孤独に友達も作れず毎日一人ぽつんと過ごすこと3年が経ち高校へと進学する。  進学しても結局は友達はできることなく、母親と継父の言い争いも激化し始め僕はもうこれ以上この世界で生きたくないと生きず待った。 そして僕は高校1年生の冬、生きるのをやめるために夜コンビニに買い物に行ってくると言って家を出て近所の公園で缶コーヒーを買ってベンチで飲んでいると 「君、こんな時間に一人公園で何をしているのかなぁ?」 と声をかけてきた人が来た。 最初は警察官なのではないかと内心ドキドキしながら振り向くとそこには制服姿の女子高生が立って僕を見つめている。 僕は何だ女子高生かと思いながらも無視をすると 「聞こえて振り向いたくせに、無視なんて君、とってもひどいぞ」 またそう言って声をかけてくる。 一体この人は何なんだろうと思いながらもずっとここで無視し続けても話しかけてくるのだろうと思い、僕は彼女の声に答えた。 「何のようなんですか、一体」 すると彼女は僕に 「やっと話してくれた。嬉しいぞ」 そう言って僕の座っているベンチに座り 「君は、一体ここで何をしてるんだ。私が遠くから見ている限りじゃ、もうすぐ死ぬ人のような気がしたんだが」 彼女はそう言って話す。 だがその声は僕には聞こえてませんよと言わんばかりに無視すると 「ちゃんと聴いているのかね君は、ずっとぼーっとしているような気がするのだが」 僕は何度も声をかけてくるこのうっとうしい彼女に 「うるさいな、見ず知らずの人に君は声をかけてくるのかよ普通」 すると彼女は誰にでも声をかけているわけではないんだけどなと言って僕に言う。 だが僕はそのうっとうしさに飽き飽きし、別の場所へ行こうと思いその場から立ち上がり歩き始めると彼女は僕に 「君、本当は死ぬつもりだったんだろ」 と言った。僕はなぜこの人は僕の心の中で思っている事を知っているんだろうと思いつい聞き返してしまった。 「なぜ、それを」 すると彼女はほらやっぱりと言いながら 「これは嘘ではない、私には分かるんだよ人の死を願う人の心の気持ちがね」 そう言って僕に説明をする。 だがそんな説明をされても信じるわけがないだろと言うと 「そうだろうね、でも私はこれまでにも君と同じような気持ちの人は何人も見てきて結局は自殺をしていく所を見てきたんだ。ある人は横断歩道が赤の時に渡り車にひかれて死亡し、ある人は木に縄をつるし首つり、またある人は電車にひかれて即死。だから分かるんだ、君は死を望んでいることを」 そう言って僕は少し納得をしてしまった。あまりにもリアルに話す物だから僕は彼女の事を少し信用してしまった。 そして僕は彼女に訊いた。 「君は人の死に方も分かるのかい?」 彼女は少しにやっとして 「分かるよ、君は今のところ電車にはねられて死のうとしてるだろう」 今さっきまで考えていた死に方を彼女は見事的中させてきた。 だから僕は彼女の言っていることを信用してしまい 「君は本当に人の死が分かるんだね」 と言うと 「だからさっきも言っただろうて、嘘ではないって」 彼女はそう言いながら僕に言う 「君は死ぬな、まだ君が死ぬには早すぎる」 だが僕はもうこの世界には耐えきれなかった。 家に帰れば夜な夜な母親と継父は朝方まで言い争いをして家で過ごす空気は重く、また学校に行っても楽しいことは何一つない。だから僕はもう死を選ぶんだと言うと 「君ってやつは本当に救いようのない人間だよ、そんな君に少しでも生きるのが楽しくなるように手助けをしてやるよ」 彼女は自信満々に言った。 だから僕は彼女にそんな事をしても無駄だよと言うと 「1ヶ月私に君の時間をくれ、そしてもし少しでも生きることが楽しかったら生きれ、その反対にもし少しも今の現状と変わらないのならば君は死んでも良いぞ」 僕は彼女の言ったことに対して分かったと承諾をして 「それじゃ、何をするの?」 と訊くと 「お前には好きな奴とかいるのか?」 急に彼女はそんな事を聞き出したが 「もう死ぬとか言う奴にそんな人はいないか、聞いて悪かったな」 それじゃまず今日は今から言うことは絶対に聞けよと言った後に 「お前は今日から私の恋人だからな、毎日夜8時にこの公園に集合な」 そう言って彼女と自己紹介もすること無く彼女はさっさと帰っていった。 僕はなんて不思議な子なんだろうと思いながらも、約束してしまったことには約束を破るわけにはいかないので、とりあえず僕は家に帰った。
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