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その喉かな公園には、目を充血させた少女がいた。
彼女は嗚咽を漏らすようなことはせず、目からこぼれ落ちる涙をハンカチで拭っている。
そんな少女に声をかける男がいた。
「ん、誰かと思えばエブリスタちゃんじゃないか」
「ああ、スィグさん…」
どうやら2人は知り合いのようだ。
エブリスタと呼ばれた少女は、とても色白で、ワンピースやスカートを着ていたが、いずれも水色だ。一方スィグと呼ばれた男は、Tシャツにジーンズという特徴のない格好をしている。
「どうした?」
「ううん、大したことないよ」
「大したことないようには見えないぞ」
そうスィグに指摘されるとエブリスタは黙った。
「また坂井辺りに弄り回されたのかい?」
そう尋ねられると、エブリスタはクスっと笑った。
「少し正解かな?」
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